急性低音障害型感音難聴
急性低音障害型感音難聴ってなに?
長い病名ですが字の通り、「急におこり」「低い音が障害される」「感音難聴」のことを指します。
感音難聴は中耳の奥にある内耳から大脳までの音を伝える経路のどこかに障害がある場合に生じる難聴の総称です。
疫学的には若い女性に多いとされていますが、全年齢層(中高年齢者)にも発症します。
原因
はっきりとした原因は不明ですが、精神的・肉体的ストレス、体調不良などが誘因となると言われています。
また全てではありませんが、主に内リンパ腫腫という状態(内耳にリンパ液が溜まってしまう状態)が主な病態と考えられています。
症状
低音を中心とした難聴のため、音や会話が聞こえにくいというよりも「耳が詰まった感じ(耳閉感)」や耳鳴(ゴー、ボーなどの低い音)を自覚することがあります。
治療
薬物治療として循環改善薬や利尿薬(リンパ水腫を改善するため)などを用います。
また改善に乏しい場合にはステロイド薬を使用することもあります。
生活習慣の改善として規則正しい生活や十分な睡眠、適度な有酸素運動(速足歩行など)も効果的です。
知って頂きたいこと
初発例では60-70%が治癒または改善を示すとされていますが20-30%が再発すると考えられています。
発症数年の経過でメニエール病へ移行する場合もあります。
症状としてはっきりとした難聴を自覚しないため、発症から時間が経ってから受診される場合もありますが、その場合適切な治療を行なっても改善に乏しい場合があります。
耳が詰まるなどの症状だけでも早めの受診をお勧めいたします。